「おっぱい」を知ろう 2006:10:02:02:34:55
『母乳が生産される仕組み』…なんてご存知ですか?
もしかして「考えたことも無いワ」なんて人もいるかもしれませんね。実際そういう人、多いと思います。。
母乳って、体質だの遺伝だのと言われたりしてますけど、別に『選ばれた女性だけが出来る特別なこと』なんかじゃありません。
…まれに、母乳生産指令を脳に伝達するホルモンが分泌出来ない、乳腺の働きが悪い…といった、本当に「体質的に不可能な方」もいらっしゃるそうですが、それも実際は数%の極々一部なのだそうです。
では、“本来母乳育児が可能”な私たちは何故、母乳不足に喘いだり、母乳育児が苦痛になったりして、ミルクを足すようになってしまったのでしょうか。
その理由の一つが、前ページでも申し上げたとおり“正しい知識”の不足なのです。
「え?だって私、病院での指導や、雑誌やパンフレットの指導をきちんと守ってるわよ。なのに上手くいかないんですもの。きっと出ない体質なのよ。」
…その指導が実は“誤った知識”だったとしたら!?
“正しい知識”とはどういったものなのでしょう。それをこれからご紹介したいと思います。
ホルモンがどうのこうの…という難しい話は、『お産ノート』の『“母乳育児”のスタート』でしておりますので、ここでは噛み砕いて説明します。
おっぱいは、溜まったものを飲ませるもの・乳房は貯蔵しておくためのタンク…ではありません。ご存知でしたか?
よく、「張ってるからよく出るおっぱい、張らなくなったから出なくなったおっぱい」と思われがちですが、そうじゃないんです。
まずは、おっぱいはどうやって作られるかというと、以下のとおりなんです。
- 赤ちゃんが乳首を深く加えて、吸うことで刺激する
- 刺激されることで“注文”がお母さんの脳に伝達される
- おっぱい製造の注文を受けた脳が、おっぱいに製造の命令を出す
- 乳房の中のおっぱい工場で、新鮮な母乳が作られ、乳腺を通って赤ちゃんのお口の中へ産地直送される
つまり、「受注生産性工場」なんです。
そして、理想は「限定販売(?)」。赤ちゃんが欲しいだけ生産され、また次の注文があるまではおっぱいさんはペションペションでベストコンディションなわけですね。
…と説明すると、よく
「受注生産…?ぷっ…( ̄m ̄*)ウソ臭…」
と、鼻で笑う方がいらっしゃるようですが^^;、そう思う方は逆に、断乳するときのことを考えてみればお分かり頂けますね。だって、断乳って、「どんなにおっぱいが張っても飲ませない」ことにより、母乳を止めるわけでしょう?
つまり、吸われれば出る、吸われなければ作るのをやめちゃうのが、おっぱいなんです。
ただ、産後1週間ほど経った頃のおっぱいは、赤ちゃんのニーズに応えるべく張り切って生産してしまうため、供給が需要をはるかに上回ってしまい、赤ちゃんが吸う前からパンパンに張っちゃう、ということになってしまいます。
(勿論、個人差もありますので、逆に中々張らない『スロースタート型』のケースもあります。長男出産後のときの私がそうでした)
その適度なバランスを体に叩き込むために必要なのは、自律授乳。赤ちゃんが欲しがるごとにあげる、を繰り返すだけです。
そうしているうちに、赤ちゃんが欲しがる量をお母さんの体は大体把握し始め、過剰生産も落ち着き、大体早くて産後1ヶ月〜3ヶ月あたりから、
「普段はぺちゃんこだけど、吸われると何となくジワジワと張ってくる」
……というペースが完成するわけです。
逆に、赤ちゃんの成長に伴い不足してくる時期が必ずあります(主に産後〜3ヶ月くらいまでの間)。
その時は、赤ちゃんが自ら授乳間隔を狭め、授乳に掛かる時間を増やし、「もっと乳くれっ」と、注文を出すのです。
赤ちゃんは母乳育児のキーマンですよ!
そして、母乳の素となるものってなんでしょう。
それはずばり、お母さんの血液ですね。人間の体の大部分を占めるのは水分です。それも、血液。それを、我が子の為におっぱいを介して栄養に変えて与えているんですね。我が身を粉にして…。
ということは、その分水分補給を充分にしなければいけません。普段(出産以前)に飲んでいるよりも倍以上摂取しないと、下手すると追いつきません。不足していると、お母さんの体は、自らを犠牲にして母乳の製造をし、我が子に与えます。
お母さんの水分摂取量が足りているかどうかの判断の目安は、ずばり「お母さんのおしっこ」です。不足していれば、回数が明らかに激減(1日に1〜2回とか)し、色が濃くなります。
…とはいえ、一気に飲みすぎても尿量ばかりが増えてしまい、逆に母乳の分泌量が減ってしまうこともあるんだそうなので要注意。授乳の前か後にコップ1杯の水分を摂るようにすればOKです。
ついでに、そうなるとある程度食べ物にも気をつけたほうが良さそうですね。
もう一点、血行を良くするためにも体を冷やさないよう心がければ、母乳の分泌にも良い影響があると考えられますね。
また、母乳は出始め(前乳)と飲み終わる頃(後乳)でカロリーや味が変わります。前乳は、さらりとしていてローカロリー、後乳はコクがあって高カロリー。後乳へは大体5〜10分ほど吸い続けることで移行するのだそう。
となると、気になる赤ちゃんの体重増加のポイントもここにありそうですね。
赤ちゃんは、喉が渇いた程度なら、前乳だけを飲み、腹が減った〜!な、時は、左右合わせて20〜30分くらい時間をかけ、後乳までしっかりと飲みたいわけです。
そんな母乳さん、実はミルクと比較すると消化吸収が良いため、腹持ちしません。早ければ30分程度でお腹が空くし、持っても3時間くらいです。だからこそ、赤ちゃんは頻繁におっぱいを欲しがるのですね。
さて、母乳育児を成功させるために一役買っているのは、言うまでもなく赤ちゃんなのですが、その赤ちゃんの生まれながらに持つ力を最大限に引き出すためには?
赤ちゃんは五感全てをフルに使って、お母さんを感じ取ろうとしています。肌で温もりを感じ、目でその表情を感じ、耳で優しい声を聞き、口で徐々に変わりゆく母乳を味わい、鼻でその優しい匂いを感じ。鼻で…鼻で!
そう。お母さんの匂い=おっぱいの独特の香りです。
これがポイントなんです、吸い付くきっかけの。覚えててくださいね。あとで授乳の仕方についても解説します。
夜間授乳、これ結構母乳育児の難点と思われがちですが、意外と重要な位置付けされてます。
この時間帯は、比較的まとまった休息が得られますから、母乳の生産量が増えます。…が、夜でも赤ちゃんによっては頻繁に欲しがりますね。お母さんは寝不足感に苦しみ、母乳が不足しているんじゃないかと不安にも駆られます。
ところが実は赤ちゃん、夜間に一日の三分の一に当たる量の母乳を摂取している、というデータがあるんです。ということは、もしこの時間帯にミルクを補って休もうとすると、おっぱいは無駄に蓄積され、赤ちゃんは一日に摂取する栄養の三分の一を、せっかく目の前にあるおっぱいじゃなくて、ミルクで誤魔化されちゃうことになります…
ついでに、授乳間隔が大幅に開くわけですから、おっぱいは「生産量を減らしてもいいんだ」と、勘違いさえしてしまう恐れがあります。
そして、一番の母乳育児の大敵はといえば「心因的なもの」だったりするんです!ストレスは、母乳製造に関わるホルモンの分泌を妨げるんです。
…と、ここまでくれば、おっぱいを出すために必要なことが大体見えてきたのではないでしょうか。
では、おっぱいを出すために実行することは…
「出すために」まず必要なことを、簡単に箇条書きにしていきますねー。
- まずは、自分はおっぱいが出る、と信じる
- 赤ちゃんが欲しがるなら、授乳間隔・授乳に掛かる時間にとらわれず、ホイホイあげる(=自律授乳)
- 水分をしっかり摂る(目安として、1日あたり1リットル〜2リットル。)
…ただの水でも充分だし、それ以外なら、麦茶やハーブティーなどカフェインのないものを選ぶと心配ないでしょう。
但し、ハーブティーの中には、母乳の分泌を抑える作用のものもありますので、選ぶ時にはその辺もきちんとチェックするように! - 体を冷やしすぎない
…特に夏場は冷房に注意。 - ストレス・疲れを溜めこまない、休息を充分に取る
…家事は慣れるまでの間は必要最低限にとどめ、手抜き技を取得すること(笑)。
赤ちゃんが眠っている時は、働くのではなくお母さん自身も体を休める時間に当てた方がいいでしょう。
夜も数時間おきに授乳で起こされるかもしれませんが、授乳期のお母さんの体は
細切れ睡眠(短い時間で深い眠りを得る)で思ったより疲れが取れています。
添え乳をマスターして居眠りしながらあげるとすごーく楽チン。…但し、風邪を引かないように^^; - 清浄綿で乳首を拭かない
…これ、意外と知られていないんですよね。
消毒しなければ、と思いついつい毎回拭いてしまうんですが、これにより乳首を保護している油膜までふき取られてしまい、傷付きやすくなるばかりでなく、おっぱいの匂いまで拭き取ってしまうので、赤ちゃんの哺乳意欲が刺激されにくいんだそう。
普段母乳には自浄作用がありますから、そのままちょこっと滲ませるだけで良いのですが、どうしてもどうしても気になる場合は、清潔なガーゼに湯冷ましを含ませ、優しく拭う程度でOK。
最低限、これで大体の方は母乳分泌を確保出来るのではないでしょうか。
その他気をつけることを挙げますと、
- ガッチリ系のブラジャーは外出時程度に。普段はなるべくつけないかソフトタイプを
…下着で乳房の基底部が締め付けられると、出が悪くなったり詰まったりすることがあります。 - 哺乳瓶・おしゃぶりはなるべく使わない
…「乳頭混乱」といって、ゴム製の乳首を使用していると、赤ちゃんが混乱してしまい、お母さんの乳首を嫌がってしまう「哺乳スト」を起こす恐れがあります。
哺乳瓶の乳首は、一生懸命吸わなくてもミルクが出てきますから、楽なんですって。
誰だって楽なことを覚えてしまうと、面倒なこと・疲れることはイヤですもんねぇ。 - 正しいポジションでの授乳を(特に最初の頃)
…きちんと基本を押さえていないと、乳首を痛める原因となります。詳細は次のページで。
大体こんな感じで、掴めてきましたでしょうか。
ではいよいよ授乳の仕方についてを図説付きで見ていきましょう♪
(2003.06.15 記)
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