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母乳育児に優しい環境 2006:10:04:12:13:37

[ おっぱい ]

さて、では何故「望んでいたのに母乳を与えられなかった」…と感じるママが後を絶たないのでしょうか。

元はといえば、『正しい母乳育児の情報』を提供しているところ(産院・小児科・保健施設・雑誌等)が、まだまだ少ないからではないかと思います。

実際分泌量は足りているにも関わらず放たれる、医療・保健従事者の「ミルクを足して」の一言の影響力は大きいもので、何の知識も持ち合わせていないと、鵜呑みにするケースは非常に多いです。
或いは、時間に囚われた授乳、母子別室、おっぱいトラブルの対処ミス。これらが重なることで「母乳が出ない体質、という思い込み」「母乳育児=辛いもの」というイメージを持つ人も少なくないでしょう。
お心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、繰り返しになりますが、業者の商業戦略による『広告・営業活動の影響』も絶大です。
「ミルクと母乳は殆ど差はない」と、どのパンフレットにも書いていますし、中にはミルクのほうが優れているようにも受け取れる内容のものだってあります。それだけ見せられたら、ミルクでいいやと考えてしまう人がいても無理はありません。私も産後間もない頃はそう思っていましたし。

そうして洗脳されているのは我々だけではなく、パパやおじいちゃん・おばあちゃんまで広がっています。
特に丁度私たちの親に当たる世代は、ミルク育児全盛期。母子手帳にまでミルクの広告があったという人さえいます。
例えば自分自身は母乳で、と考えていても、横から
「あらあなた、母乳足りてないわよ。早くミルクを足さないとカワイソウよ。」
育児の先輩からこんなことを言われたら、一気に不安になりますし、母乳をあげていることに罪悪感すら感じますよね。
「私はミルクで息子を育てたわ。ほら、こんなに健康でしょ!」
なんて言われてしまうと、もう返す言葉もなくなってしまいますし…

商業戦略は、雑誌広告だけではありません。
私が住んでいる地域の産院や各小児科では、ミルク業者派遣の栄養士さんが出入りして、栄養指導と称して広告を配布していたり、ミルクのサンプルを山のようにくれたりしていますが、あれは世界保健機関(WHO)の基準に思い切り逸脱しているのです。愕然。
確かに、既にミルク育児中の方には大助かりなんですけれどね…。
(何故、院内にそういった業者が営業活動をしに来て、病院側が何も言わないか。
それはその、病院経営のスポンサーだったり…ゴニョゴニョ…。病院側としても、ミルクの売り上げに貢献しないとゴニョゴニョ…そういうわけです。)

WHOの基準とは。
ご存知の方も大分増えてきたかとは思いますが、【母乳育児成功のための10か条】【WHOコード】というものが存在しています。
これらは、ミルク(哺乳瓶や人口乳首等を含む)やベビーフードの販売や促進のためのマーケティング方法を規制し、母乳育児の奨励と保護を目的として採択されたものです。
WHOコードにおいては、世界55カ国以上では、全体もしくは一部が法律化されているそうです。
※ただ、水面下ではまだまだ違反は後を絶たないようですが…しかも、その海外で活躍(?)している中で多いのが、日本のメーカーなようで…(汗。。
そういった点から見ると、日本も(少しずつよい方向に向かってはいるようですが)対策はまだまだ不十分と言えるでしょうね。

前述の産業戦略による誤った情報が「一般的」となっている現代の日本において、母乳育児がママ一人の力で成り立つ確率は、恐らく低いでしょう。
そこで、周りの医療機関・保健機関その他周囲の人たちによる適切なサポートが重要、という事になってくると思います。

国内には【母乳育児成功のための10か条】を院内に張り出し、積極的に取り組んでいる病院もあります。
更に、【10か条】【WHOコード】を自主的に守っている産科施設は、「赤ちゃんに優しい病院」として認定されています(2006年時点・認定数43件)。
勿論、まだ認定はされていなくとも、熱心に取り組んでいる産院は探せばあると思います。

そんなわけで、母乳育児を楽しむためには、サポーター選びから。以下のサポーターチェックも是非参考になさってください。

母乳育児サポーターチェックリスト

「私は母乳育児を支援しています」と言わない医療・保健従事者はいません。
しかし、そういった人の中には、正確な知識や情報をもっていなかったり、自分のやり方を押し付けてしまったりする人もいますし、支援のための具体的な方法がわからない人もいます。
以下は、医師・看護婦・助産婦・保健婦など医療・保健従事者が、あなたの母乳育児を応援してくれるサポーターかどうかをチェックするためのリストです。貴女が今までに出会った人をチェックしてみませんか?

  1. その人は、妊娠中や出産後に人工乳のサンプルや乳業会社が作ったパンフレットをくれましたか?
  2. その人は「母乳と人工乳は基本的には同じです」とあなたに言いましたか?
  3. その人はある特定の会社の名前だけを挙げて「○○会社の人口乳が一番です」…とあなたに言いましたか?
  4. その人は「赤ちゃんには出産直後に母乳をあげる必要はない」とあなたに言いましたか?
  5. その人は「人工乳首の混同によって母乳育児が難しくなるなんてことはない」とあなたに言いましたか?
  6. その人はあなたや赤ちゃんが病気の時に「病気だから母乳は止めなければいけません」とあなたに指導しましたか?
  7. その人は生後6ヶ月以上の子供にあなたが母乳をあげているのを知って驚きましたか?
  8. その人は生後6ヶ月以降の母乳には何の栄養もないとあなたに言いましたか?
  9. その人は添い寝しながら授乳するなんてとんでもないとあなたに言いましたか?
  10. その人は赤ちゃんが病気で入院している時に「あなたが休む事が大事だから授乳のために病院に泊まったりしないで下さい」とあなたに言いましたか?

…チェックが10〜1→その人は多分サポーター見習中の人でしょう。
…一つもチェックがなかった→その人こそ真の「母乳育児サポーター」です。

それぞれの理由については、母乳育児支援ネットワークの解説をご覧下さい。

Written by Jack Newman, MD, FRCPC
翻訳 高橋万由美

母乳育児支援ネットワーク』より転載許可をいただきました

母乳育児成功のための10か条
産科医療機関と新生児のためのケアを提供する全ての施設は以下の事を実行すべきである。
  1. 母乳育児の方針を文書にし、全ての医療に関わっている人がいつも確認できるようにすること。
  2. その方針を実行するために必要な知識や技術を全ての医療に関わっている人に研修などを通して伝えること。
  3. 妊娠中の女性に対し、母乳育児の利点と授乳の方法を知らせること。
  4. 赤ちゃん誕生後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること。
  5. お母さんに授乳の仕方をその場で具体的に示し、もし、お母さんと子供を離してケアをする必要がある場合、お母さんが母乳の分泌を維持できる方法を教えること。
  6. 医学的に必要でなければ、生まれたばかりの赤ちゃんに母乳以外の栄養や水分を与えないこと。
  7. 24時間の母子同室を実践すること。
  8. 赤ちゃんが欲しがるままに授乳する事を奨励すること。
  9. 母乳を飲んでいる赤ちゃんに人工乳首やおしゃぶりを与えないこと。
  10. 母乳育児の支援グループの設立を援助し、退院時にお母さんにそのようなグループを紹介すること。

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【母乳代用品の販売促進に関する国際基準(WHOコード)】
母乳育児を保護し、赤ちゃんの健康を守るために、企業は以下の事を遵守しなければならない。
  1. 母乳代用品の宣伝をしてはならない
  2. お母さんに無料のサンプルを与えてはいけない
  3. 保健所や医療機関を通じて製品を売り込んではならない
  4. 企業派遣保健婦や栄養士を使ってお母さんにアドバイスをしてはならない
  5. 保健婦や助産婦に贈り物を送ったり、個人的にサンプルを配布してはならない
  6. 赤ちゃんの絵を含めて、製品のラベルには人工乳で育てる事を理想化するような言葉あるいは絵をしようしてはならない
  7. 保健婦や助産婦への情報は科学的で事実に基づくものであるべきである
  8. ラベル表示を含め、人工哺育に関する情報でも、全ての母乳哺育の利点を説明し人工乳育のマイナス面、有害性を説明すべきである
  9. 不適切な製品、例えば加糖練乳は赤ちゃん用に売り込みをすべきではない
  10. 全て製品は品質の高いものであるべきであり、使用される国の気候及び貯蔵条件を考慮に入れるべきである
…母乳代用品の販売促進に関する国際基準は、企業の過剰な販売促進活動から消費者である母親や子供を守る事を目的として、1981年に世界保健総会(WHO総会)で採択されました。
実効性を持たせるには、この内容をもった法律を国内で制定する必要がありますが、日本ではそのような取り組みは全くありません。
…以上、翻訳・解説 母乳育児支援ネットワーク

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赤ちゃんに優しい病院(BFH)
ユニセフとWHOが、病院が母乳育児の促進・サポートをすることを目的として始めた事業(BFHI)により認定された病院を指します。
日本における「赤ちゃんに優しい病院」認定事業は、日本母乳の会に委任されています。

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 '06.10.04(水) 12:13
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